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リトアニア・レポート2

さて、セミファイナルリハーサルの1日の始まり。
朝食の為ホテルのレストランへ一人で移動中、同じ方向へ歩く若い男性2人と一緒になった。
「ひょっとしてコンペの参加シンガー?」とお互い口を揃えて聞き合い、レストランで同席。
「君は、、日本からだよね?」
「あなたは、、ポーランドからでしょ?」(小指のキミ!と言いたかったが、これはまだ言えず、笑)
「僕は、クロ○○○から。」私「えっ、何て?」(男性シンガーはもう一人、クロアチアからのはず、、、。)
そう、人生初クロアチア人に会い、英語発音を初めて聞いた。
”クロエイシャ”と正しくは発音するそうな。
リハーサル時間表の名前を見て、何とか早速名前で呼び合おうとトライするも・・・名前も大変。ここは素直に、
「どうやって貴方たちの名前を読んだらいいの?」と聞く。
「僕はWojciech、ヴォイテック」「僕はDanijel、ダニエル」だと。
ヨーロッパの人の名前すら読めない!!(汗)
この時、滞在中は色々と大変だろうけど楽しもう、と自分に誓った。

さて、コーヒーをポーランドの彼は飲もうとしていて、、、。
ミッション1 小指チェック
・・・立ってない!?(笑)
あのプロフィール写真の衝撃を忘れられなかったので、ここも素直に聞く。そしたら、
「国でケータリングのあるパーティーでの演奏をする用にネタで撮ってもらったんだよ。他にも写真は提出したんだけど、何故かあの写真ばっか使われててさ。」と。
「日本で既に貴方のファンがいるから、写真撮らせてよ。」
「いいけど、小指を立てた?」
「YES」
リトアニア・レポート2_b0148714_16225373.jpg
で、交渉済みの一枚を。ちなみに彼、今年のグランプリでした!素晴らしいシンガーでしたよ!

初めからあまりの会話の楽しさについついヒートアップ。
ヴォイテックはまだ23歳。大学でジャズを学んでいる。お父さんは有名な俳優。お母さんはグレゴリアン聖歌隊を率いるクラシックシンガー。彼も常にサポートで歌っている。聞けば既に国で数々のコンペでグランプリを獲っていて、それはジャズヴォーカルというジャンルに限られたものでなく。
大学での授業風景も聞くと、相当な数のジャズ曲を演奏し、歌詞は勿論のことコード進行もすべて12キーでインプロ出来ないといけない。
ジャズのパフォーマンス自体(ブッキングやセルフマネージメント含め)には今はあまり興味がなく、アカデミックに学ぶ事と他ジャンルの音楽やソロに興味あり、だと。あれだけ凄いステージやってのけてこれだもの。
ポテンシャルの高さに驚ろく。

ダニエルはファイナルまで進んだものの、規定の時間を大幅に超えるパフォーマンスだった為、審査対象外になってしまったが、パフォーマンスそのものは素晴らしく、まだ24歳なのに円熟味のある歌唱と堂々たるステージング。
コンテストだけど、自分のステージをリトアニアの観客とミュージシャンと作って行ければそれで良いと思っている、と。
私と同じ考えだったので、早速意気投合。
聞けば、現在は国の大学でジャズを学び、現在はドイツでジャズを歌っている、と。
何と彼は私のNYの師匠シーラ・ジョーダンにジャズを勧められてプロで歌いだしたらしく、またインストゥルメンタル的な現代男性ジャズヴォーカルの第一人者マーク・マーフィーを敬愛しているらしく、私がNYで彼のレッスンを何度か受けた事ある、と言うと非常に興奮していて、質問の嵐に遭った(笑)。
だけれど、音楽的に影響を受けて研究しているのはラヴェルやデビュッシーだと。そう、クラシック。
ダニエルも相当なジャズ曲を知っていて、この男性シンガー2人がいると、普通に英語で会話していても、関連性の高い歌詞のある何かのジャズ曲を直ぐに歌っていく。
それでもって、彼らのインプロビゼーション(即興)力は凄く、普通にチャーリーパーカーが横で吹いているようなフレーズをさらっと口ずさんでいたり、一人がメロディーを歌っていたら、一人がベースラインやパーカッションを歌ったり。

・・何か私は凄いところへ舞い込んでしまったらしい。。。
と、滞在中、毎日そう思うようになるとは、想像すら付かなかった次第で。


さて、朝食を終え、部屋でまだ寝ているシンガーを起こさず私はリハーサルへ。
リトアニア・レポート2_b0148714_1636584.jpg
ホテルまで係りの人に迎えに来てもらって、会場入り。あとから続々と他のシンガーも。
凄く綺麗なコンサートホール。2階のオペラ席まである。
既にリトアニアのシンガー達からリハーサルが始まっていた。
一人約45分。
リハーサルの順を考慮された控え室も用意され、私はピアノのある部屋に通された。
ラッキー。
前夜着いたばかりで、まだ地に足が着いていない感じ。
早朝に発声を。だけどいまいち、今どの音域を出しているか、つかめない。。。
練習していると、素晴らしいリトアニアのシンガー達の歌と、ミュージシャン達の音色。
リハーサルだけどあまりの勢いに発声どころでなくなった。
とにかく、すごい迫力だ。それから、すごいスキャットと、アレンジ構成。
圧倒されてしまった。

さて、時間通り私の番。
うわっ、ホンマに美しいホール、というのが初めの感想。
ここで現地の最高のミュージシャンと歌えるだけで、もう最高ー。
ドラムの人とサックスの人が特に素晴らしく、急遽、彼達をヒューチャーしたアレンジに変更。
サックス以外の人はあまり英語が出来ず、彼に英語でしっかり明確にアレンジやソロのタイミングを伝えて、事なきを得る。
言葉が通じなくても、譜面や身体での指示が出来れば、国境は越えられる、と再確認。
立ち位置やモニター、楽器のバランスの確認をして私のリハ終了。

その後、主催者と出場者全員が集まり、ミーティング。
リトアニア・レポート2_b0148714_16374449.jpg
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私、どこかで間抜けな顔してます(笑)。
セミファイナリスと全員の紹介。Kaoru Azuma と呼ばれ前に出る時、何人ものシンガー達が「Japanからよね・・・。」と心配そうに、声を揃えていたのが耳に入ってきた。
一人一人にIDと現地情報、また滞在中の一日3食分の食事券も入ったファイルが渡される。ありがたい。
昨日まだ見なていなかった参加者も続々とホールに。
みんな身長高いし、若くて綺麗ー。

さて、指定されたレストランへランチだ!

次へ続く。

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by kaorumusic | 2011-04-15 16:38 | リトアニア・レポート

【ジャズヴォーカリスト・ヴォーカルコーチ・プロデューサー】東かおるの日々を気軽に綴るブログです


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