ブログトップ

東かおる*Kaoru Azuma* Blog

kaoruazuma.exblog.jp

<   2011年 04月 ( 7 )   > この月の画像一覧

リトアニア・レポート 5

セミファイナル観戦編、直ぐに、って全くの嘘でした(汗)。
さて、私生活に支障を来たしてしまう為、仕事の合間に本当に真剣に仕上げていきます(笑)。

セミファイナル、歌い終えて会場の席に着く。残り2部の観戦なり。
14カ国から18人のシンガーが集まり、8人がファイナルへ。
実行委員や主催者が何度も言っていたのが、”どのセミファイナリストもファイナルまたは1位になり得る位の実力と可能性があって集まって来ている”と。
本当にそう思う位、レベルの高いものでした。
b0148714_0203898.jpg


1人ずつは流石に書けないので全体像を。
私の予想をはるかに上回る全員の実力には本当に驚かされた。
まず、ジャズ力。
ほぼ全員がそれぞれの国や近隣諸国の大学機関で正式なジャズ教育、または現在も大学院で学んでいる子も多かった。(そう、欧米のコンペティションには年齢制限があるものが多く、今回のもしかりで若い子が多かった)
実際、アメリカで生まれたジャズはアメリカで教育を受けないと、と思っていたけれど、ヨーロッパではしっかりジャズエデュケーションのカリキュラムが成されている、と実感した。
それも、本当にしっかりとしたもの。
クラシックで培われた教育と音楽の土台があってのものかもしれない、と思った。
なので、出場者にはクラシックシンガーとしてもプロで歌っていたり、ジャズピアニストとしてライブしているほうが多い(その彼女は3位でした!)、クラシックピアニストとしてヨーロッパをツアーしている方がメイン、ポップスを歌っている方が多いだの、はたまた、TVで女優しているだのetc...
ジャズだけを歌って生計を立てているだけの子は意外と少なかった。

それでもってあのジャズ力!
まず、インプロビゼーション(スキャット)力の高さには驚いた。
コンペティションでは必ずインプロをしないといけないので、全員がほぼ全曲で披露。
教育機関でしっかりと学んでいるインプロは、しっかりと器楽奏者のそれによるもの。
理論も勿論学ぶので、ハーモニーにのっとった音使い。
また、8分音符は当たり前。時には16分音符でのビバップフレーズも簡単に出来ちゃえる。

以前のレポートにも書いたが、ヴォーカリーズと言われるジャズの器楽奏者が演奏したソロの音を聴きとって、それに英詞を付けたもの、これは相当大変な作業だが(私もNYの大学では何曲かやったけれど、特に英語を母国語としない私達日本人にとっては難しい)、これを自分の十八番としてまだ誰も取り組んだことのない自分の好きなアーティストの曲を何曲もレパートリーに持っていて、それをパフォーマンス出来る位素晴らしいレベルなのには、本当に驚いた。
相当な英語力も要る。

それからアレンジ能力の高さ。
アレンジ力も審査の内。それも欧米のコンペティションでは課題曲が決まっているものが多く、個性を出すにはアレンジも大切。
元々のコードを相当リハーモナイズして、独特のハーモニーで聴かせたり、曲の進行事体も大きく変えていたり。
本当にこれにも驚かされた。
好きなアレンジの曲を歌ったシンガーに、「あの曲の何小節目、どんなコード付けたの?」「あの譜面のコード素晴らしいわね!見せてもらっていい?」
と直接聞いて、早速譜面をメールで送ってもらったりしていたのには、何だか感動した。

あと、ステージングを知っている!
自分の身体をよく知ったセクシーな衣装や、ステージ映えするメイク。
(ただでさえ彫りが深い顔なのに、それに目をクロのアイライナーで囲う。付け睫毛を付ける。背が高いのに10cm以上あるハイヒールを履く、、、私なんてアジア人さ。ライトでのっぺらぼう、、、誰ですか、そこで笑っているのはっ!)
ステージ上での振舞い方も随分とエレガント。少しその辺りのクラッシーな感じは、ステージ上でもカジュアルがクール、とされるアメリカとは違っていた。
だけどこれは教育機関で学べるものではないはず。

あまりの違いに驚いていると、何だか色々と情報が入ってくる。
・・国で既に何かのコンテストで入賞していて、その副賞としてこの国際コンペティションの出場権が与えられている、という数カ国からのシンガーがいるということ。
・・色々な国からの審査員がいたのだが、その国でスカウトされてコンペティションの出場権が与えられた子。
だから、出場者の何人かから、「どうやって日本で情報を得て来たの?」と不思議に聞かれたはずだ、ということが段々分かってきた。

そうか、ここに来ているだけで、みんな特別なんだ!
と気付いたのは大分後になってからだった。

なので、それぞれコンペティション慣れしている感じだった。
そして、それぞれが自分の課題と、キャリアの為にリトアニアへ集結している感はあった。
ヨーロッパでは、コンペティションも何だか、エデュケーションの一環の様にも思えた。
どこかの国でのコンペティションで顔を合わせたシンガーもいたくらい。
しっかりと文化交流がなされているんだな、そして、それぞれがその中で切磋琢磨し、高めあえる環境にあるということを羨ましくも思えた。

セミファイナル自体も本当に素晴らしいコンサートで楽しめた。
何といっても、14カ国ものシンガーの歌をジャズというジャンルの音楽を通して聴けるなぞ、考えもしなかった。
それぞれが自分のオリジナリティー、国のアイデンティティーをしっかりと持った上で、ジャズを表現する。
これは採点にするなんて、相当難しいな、と感じるのはそう難しくなかった。

さて、結果、へと続く。



---------------------------
★東かおるライブスケジュール
[PR]
by kaorumusic | 2011-04-28 01:12 | リトアニア・レポート

今週末のライブ

コンポーザーピアニスト西山瞳氏のオリジナルに私が歌詞を付けたものを中心に。
素晴らしい楽曲の数々です!
■4月29日(祝金) 京都・祇園 CANDY
西山瞳(Pf) & 東かおる(Vo) Duo
8:00pm~ 2回 MC¥1700
京都市東山区花見小路新門前上ル汀(みぎわ)館 B1 Tel:075-531-2148

Intimate Duo  デュオならではの臨場感。二人のオリジナルやジャズスタンダードを。
■4月30日(土) 大阪・天満 じゃず屋
Jesse Forest(Gt) & 東かおる(Vo)
8:00pm~ 3回 MC¥1500+¥1000(1drink & 1 food)
大阪市北区山崎町1-19 Tel: 06-6377-1130


---------------------------
★東かおるライブスケジュール
[PR]
by kaorumusic | 2011-04-26 14:35 | Live schedule

リトアニア・レポート 4

寒い春ですね。
私は花粉が怖い為、あまり花見もせずにシーズンが終わってしまう勢いです。。
あ、本日4月23日(土)は京都・祇園JTNでライブです。ピアノトリオでスウィンギーに参ります。

さて、リトアニア・レポート色々な方から「読んだよ。」と連絡を頂いております。コメントも色々なサイトで頂き、有難うございます。返事が追いつかずすみませぬ。。どしどし頭をまとめて、忘れないうちにレポートを仕上げて行こうと思います(笑)。

リトアニア・レポート3の続き

前日に何故か部屋が一緒になったシンガーに「やはり一緒の部屋で過ごすのは無理だ。」と話を切り出し、彼女自身も「私1人が良い。」と言い出し(訳が分からない。。怒)、コンペティション関係者に事情を説明し、有り難く元通り私1人の部屋にしてもらった。
が、途端に寂しく(爆)。
知らない国に全く1人。それがどれだけ孤独なことが思い知らされた。ましてや名目はコンペティション。
日本と連絡を取ろうと部屋からの電話を使うにも、説明書はリトアニア語のみで使用が分からず断念・・。
部屋では妹から借りたiPhoneの電波が入らず、ホテルのインターネットを使うにもロビーにあるPC一台のみ。しかも日本語、全く表示されず・・。
そして日本からの電子機器を充電するにも、コンセントの差込口に見たことも無い大きな丸い穴が2つ。
・・変圧器要るんや。。
で、バッテリーも切れ、iPhoneはおろか、私は地球の裏側でしばらく音信不通に(笑)。。

さて、セミファイナル本番。
朝から全員のリハーサルを。
リハーサル後、昼食に出掛け、ホテルで着替え、そして車でコンサートホールまで関係者の方に送迎をしてもらう為、ホテルのロビーでセミファイナリストが大集合。
Oh my God!
誰だ、こんなに美しくセクシーな人達は!?そして、一瞬誰だか分からないくらい、化けてる、いや、変化してる(爆)!
みーんな、女優やモデルみだい。そして、特にリトアニアのシンガー達の独特の衣装なこと!
このクライペダ市というのは、特にファッションが独特な様で、身体のラインを強調したものやカラフルな洋服を好むそう。
それに、みんなスタイル良い!しかも、背高いのにごっつい高いハイヒール履いてるし!

会場に着き、いよいよスタート。
主催者Mr. Stepas Januska氏のヴォイスソロ・インプロビゼーションで開幕。
b0148714_2115531.jpg

それが凄いの何の!どこのサックス奏者ですか?というハイレベルなスキャット。
あとで聞くと、彼はリトアニアで最も良く知られているポップスシンガー。
それでもって、クライペダ大学の音楽部ジャズヴォーカル科の教授をされている。
近年は彼の元で学ぶ為、首都からも移り住む人も多いらしい。

このオープニングだけでもこのコンペティションのレベルの高さが伺えた。

さて、歌う順序を決めるクジ引き。
箱の中にある数字が書かれているチョコレートをひく。チョコだよ、チョコ!しかも、地元の!粋だね!
私。
b0148714_2122666.jpg


何故か初めの数名に地元リトアニアのシンガー達が入る事に。
何ていう奇遇さ。
参加者は、リトアニアから4名。1名アメリカからを除いて、全員ヨーロッパから。アジアは私のみ。
18名からのセミファイナルは3部構成に。私は1部のトリとなった。

スタート。
各シンガーの紹介をステージでは英語アナウンスとリトアニア語アナウンスの両方が流れる。
見よ、このキュートなファッションのアナウンサーを!
b0148714_211131.jpg

控え室で待機していると、会場から大きな拍手。かなり沢山のオーディエンス。Wow.
伴奏してくれるカルテットの演奏が聴こえてきた。凄いかっこ良い!
それからまもなく1人目の歌唱が。
何だ、この迫力と実力は!
次のリトアニアのシンガーの声も聴こえて来た。
・・一体、この国のシンガーに何が起きているのか?という位、また凄いテクニックと迫力。
後で聞けば、特にこの地はエネルギッシュなものを好む傾向にあるようだった。

それからグランプリになったポーランドの彼。歌いだす前まで不安げですごく緊張してたけど、私が舞台袖で応援してると、「これ、日本語だろ?」と話しかけてきた。
舞台設備の1つに"SAKURA"と書かれた機材が!恐るべし頭の良さ!いや、嬉しかった。こんな離れた国で日本語を目にするなんて!

さて、ヴォイテック、舞台に立てばめっちゃかっこ良いアレンジにインプロビゼーションスキャット!
規定曲のコードを見事なまでにハーモニーを変えていて、超モダン。
そしてキュートなルックスで女性の心は掴まれた(笑)。
声はアメリカのジャズシンガー、カート・エリングの様。それを後で「きっと言われるのは嫌だと思うけど、、」と絶賛すると、「しょっちゅう似てるって言われてる。たまに、彼を上着のどこに隠してる?なんてさ。」と。

その次に今回特に仲良くなった1人。ベルギー出身のガブリエル。
彼女はすごくエレガントでクラシックも歌っている美しい声の持ち主。
現在はロンドンに住んでいて、2国で演奏している。
フランス語で歌うシャンソンを得意とし(シャンソン、といっても日本で知られている演歌ちっくなものでなく、モダンなものも沢山あるようだ。)、この日は規定の英語曲にフランス語も付けて独特なアレンジで歌い、それにセンスの良いブラジリアンな曲を入れてのパフォーマンス。好きだなぁ、上質なベルベットの様な彼女のステージ。
今年、彼女のデビューCDがヨーロッパで発売されるそうで、PVを見せてもらったら、素晴らしい音楽だった。

で、私。はい、レポートしておきます。
”うわ、沢山のお客さん!”、というのが舞台に出た感想。
審査員席がどこにあるかも分からなかったので(開幕時、バックステージでシンガー達と雑談していたため・・)、とにかく、今この瞬間を楽しもう!とsing sing。
b0148714_2385224.jpg

アップテンポの曲では前列に座って聴いていた参加シンガー達が掛け声を掛けてくれたり、色々と即興で歌詞を介してコミュニケートしてみたり。”What lovely girls!” とかマイク通して言っちゃった(笑)。
素晴らしいリトアニアのオーディエンス、素晴らしいホールで素晴らしい現地のミュージシャンと音楽を創れている事に喜びを感じ、本当にあっという間に2曲終了。
b0148714_2475258.jpg

コンペティションなので、色々と各項目の点数化をされるんだろうし、スキャットもある程度明瞭に点数化する為、細かい音符でビバップフレーズも入れたりしたら良いんだろうけど、私は敢えて自然と湧いてくるものを大切にしようと思った。
後で、クロアチアからのダニエルから、
「君のインプロビゼーションは自然でオーガニックなフレーズで好きだよ。」と言われて、すごく嬉しかった。
この時、カルテットのサックスの方のソロがもう本当に素晴らしくって、ソロを聴きながら泣きそうになってしまった。
b0148714_247996.jpg
b0148714_2481811.jpg

実は曲の間に自分でも不思議なことに、
「今紹介してもらった通り、私は遙か遠くの国・日本から来ました。ここでみなさんと音楽をシェア出来て光栄です。今、この思いを、この音楽が持つエネルギーをリトアニアから日本へ届けとばかりに歌いたいと思います。」
と何の用意もしていなかったけど、自然に口から溢れ出てきた英語のMC。
歌い終えて、舞台袖に戻るまで拍手鳴り止まず、かなり驚いてお辞儀をしてバックステージへ。

幸せをかみ締め、さて、後は観戦を楽しむぞ!
舞台を降りると参加者からハグの嵐と共に
「I love your performance!」(貴方のパフォーマンス好きだわ)
「I love your expression!」(貴方の表現が好きだわ)
「I love how you sing like a talking.」(語るように歌うのが好きだよ)とか色々シンガーから声を掛けられて、驚く。
みんな、素晴らしいよね、コンペティションで1人1人をちゃんと聴いて、コメント出来るなんて。

客席に移る為エントランスに出る。
休憩中もあって沢山のオーディエンスが歓談されていた。
ドリンクを買おうと並んでいると、沢山の人達から声を掛けられた。
「素晴らしかったよ!」
「感動したよ!」
「サインして下さい!」とか「写真撮って下さい!」etc...
現地の子供ちゃんは、恥ずかしいのか話掛けれずに後を付けて来たり。きっとアジアの女性を見たのは人生で初めてだったのかもしれないな。私の顔をかなり凝視していたし(笑)。
あと初めは何のことか分からなかったけど、「貴方に投票するからね!」と。
ここで気付いた。
ははーん、オーディエンス・プライズなるものがあるんだ、と。

「有難う。ここに来れて、そして歌えて幸せだった。」としかもう人に言えない位、私も心がいっぱいだった。

観戦編は直にアップ予定。次回へ続く。

---------------------------
★東かおるライブスケジュール
[PR]
by kaorumusic | 2011-04-23 02:48 | リトアニア・レポート

リトアニア・レポート 3

4月16日の東大阪クロスロード・ライブへお越し頂いたみなさん、どうも有り難うございました♪遅くまで和気藹々と楽しかったです☆

さて、リトアニアレポートの続き。シリーズ約10まで続いてしまう様な勢いで頭の中に情報がインプットされておりますzzz お付き合い下さいませ(笑)。


Day 1 ランチ 「ラバ・ディアナ=こんにちは」
コンペティション関係者の方から一日3食分のチケットを頂き、お陰で苦労して換えた通貨リタスをすっかり使う間も無い状態でした。(嬉しい悲鳴)
食事は、普通に美味しかった。
毎回色々なスープが付いて、ポテトが使われていたのが多かったかな。
メインには必ず肉は付き、結構固めにローストしているものを滞在中口にした。
だけど、フライドライスも付いてたけど、炒め過ぎて固かった・・・。
b0148714_0283013.jpg

ドリンクにはライ麦、がピッチャー底に入っていたりして、アルコール入りなのかどうか分からないほど、麦芽で黒々してた感じなのが印象深い。味も酸味が利いていて不思議な感じ。
よって、ライ麦パンも黒くて、味が濃くて独特で美味しかった。

さて、ここでコンペティション参加のガールズ・シンガー達との会話。
今回は、14カ国からのシンガーが集まっており、この時は全員とは話してなかったものの、約3分の1のシンガーが現在イギリスはロンドンに住んでいる事が発覚。
何故かというと、演奏する土壌やクラブが多いこと。
出身国ではジャズ教育を大学で受けたものの、大学院でロンドンへ移っていたり、また音楽以外のドラマシアター系の教育機関で学んでいたり。
そう、”実は国では女優をやってます。舞台やTVに出てます。オリジナルやポップス歌ってます。”
って子が何人も居たり(驚)。どうりで垢抜けて綺麗な訳だ。

それから、英語をしっかりとマスターする為に、という子が多かった。
ヨーロッパ人は何ヶ国語も話せるが、ジャズヴォーカルとなった時、歌詞は英語。
それに最近はオリジナルや器楽奏者のソロに歌詞を付けるヴォーカリーズと言われる事も世界レベルでは必須。
そういうこともあり、書く為のしっかりとした英語を学ぶ為、と言っていた。

・・・英語を日常的に使わない日本に居るジャパニーズ・ジャズシンガーにとって、非常に驚くべき事であり、私達は一体彼女達の何倍も学ばなければいけないのか、、、。

そして、各々の好きなジャズヴォーカリストの話をし始める。
イギリス在住シンガーが多いためか、やはりNorma Winstoneを筆頭に話始める。
最近彼女はヴォーカル数人とのプロジェクトをしているらしく、それが特に良い、と聞いた。
アメリカからはTierny Suttonの名前もよく出た。
後は、ヨーロッパではシンガーズ仲間ではよく口にする人達でも、私は初めて耳にする名前も多々あった。

その中で、私はアメリカからのシンガーで現在マンハッタン音楽院の大学院で学びパフォーマンスをしているシンガーと話が弾んだ。
NYで活躍中のシンガーから彼女は沢山レッスンを受けていたり、私が最近好きなシンガーとも交流があったりと、NYジャズの世界は意外と狭かったりする。
Kate McGarry, Madeline Eastman, Gretchen Parlato, Theo Bleckman, Sara Serpa etc...
ノルウェーからのシンガーとは、「ノルウェーと言えばKarin Krog!」と私の好きなシンガーの名前を出せば、彼女が現在通っているオスロ大学の先生だ、と話が弾みまくった。
世界は一気に狭まった。

そこで、逆に私が質問を受けることに。
この間アジア人ジャズシンガーをフランスで聴いてすごく良かったけど、日本人?
「ユンソナって言う名前。」
私「・・・その人のCD持ってるし、知ってるけど、フランス在住韓国人よ。日本人じゃ無い。」
「○○キム、って人もどこかで聴いたけど、この人は?」
私「・・・初めて耳にする名前で知らないけど、日本人じゃないのは確か。」
全員「・・・じゃ、国際的に活躍していてお勧めの日本人ジャズシンガーを教えて。是非CD買って聴いてみたいし。」
私「・・・楽器では沢山いるけど、シンガーでも・・・。」
答えに困り果てていたら、ある国のシンガーが
「じゃ日本のジャズヴォーカルはまだ成熟していないってことね。」
と言われ、内心ムカツイタけど、やっぱり誰かって言えない事実に自分でも驚いた。
そこでみんなが、
「私たちにとって、KAORUが人生で初めて会ったジャパニーズジャズシンガーだわ。」
と。

複雑な気分だった。

こんなにジャズクラブやCDショップが未だ沢山ある国は珍しく、また人口も多い大国・日本。
CDもヨーロッパからも沢山輸入し、今じゃ欲しいものは何でも手に入る。
だけど、この国から世界へ向けてのマーケット、ジャズの世界、ましてやジャズヴォーカルの世界って広がっていないんだ、と思い始めた。
英語能力? オリジナリティー? etc... 何だろう?
国内ではやれメジャーだの何だの言ってるけど、それって国内で、よね。。
結局、自らが海を越えないとやっぱりまだ駄目ってこと???
と色々日本のシーンについて考え始めた訳です。
アメリカに居るときはニューヨーカーの1人だったので、敢えてこう考えたことは無かったんだけど。

ほろ苦い思いを残し、コンサートホール近くの音楽学校で練習させてもらえることに。

街の様子。Klaipeda city in Lithuania
b0148714_173290.jpg

b0148714_181384.jpg
b0148714_183870.jpg

b0148714_194341.jpg
リトアニアは複雑な歴史があり、20年前に旧ソ連から独立したばかりの国だが、第2次世界大戦中は、このビルのバルコニーにナチスドイツのヒトラーが立ち、侵攻開始宣言をしたそうな。その時唯一背を向けていたのが、この女性の像、だったと聞いた。

次へ続く

---------------------------
★東かおるライブスケジュール
[PR]
by kaorumusic | 2011-04-19 01:13 | リトアニア・レポート

リトアニア・レポート2

さて、セミファイナルリハーサルの1日の始まり。
朝食の為ホテルのレストランへ一人で移動中、同じ方向へ歩く若い男性2人と一緒になった。
「ひょっとしてコンペの参加シンガー?」とお互い口を揃えて聞き合い、レストランで同席。
「君は、、日本からだよね?」
「あなたは、、ポーランドからでしょ?」(小指のキミ!と言いたかったが、これはまだ言えず、笑)
「僕は、クロ○○○から。」私「えっ、何て?」(男性シンガーはもう一人、クロアチアからのはず、、、。)
そう、人生初クロアチア人に会い、英語発音を初めて聞いた。
”クロエイシャ”と正しくは発音するそうな。
リハーサル時間表の名前を見て、何とか早速名前で呼び合おうとトライするも・・・名前も大変。ここは素直に、
「どうやって貴方たちの名前を読んだらいいの?」と聞く。
「僕はWojciech、ヴォイテック」「僕はDanijel、ダニエル」だと。
ヨーロッパの人の名前すら読めない!!(汗)
この時、滞在中は色々と大変だろうけど楽しもう、と自分に誓った。

さて、コーヒーをポーランドの彼は飲もうとしていて、、、。
ミッション1 小指チェック
・・・立ってない!?(笑)
あのプロフィール写真の衝撃を忘れられなかったので、ここも素直に聞く。そしたら、
「国でケータリングのあるパーティーでの演奏をする用にネタで撮ってもらったんだよ。他にも写真は提出したんだけど、何故かあの写真ばっか使われててさ。」と。
「日本で既に貴方のファンがいるから、写真撮らせてよ。」
「いいけど、小指を立てた?」
「YES」
b0148714_16225373.jpg
で、交渉済みの一枚を。ちなみに彼、今年のグランプリでした!素晴らしいシンガーでしたよ!

初めからあまりの会話の楽しさについついヒートアップ。
ヴォイテックはまだ23歳。大学でジャズを学んでいる。お父さんは有名な俳優。お母さんはグレゴリアン聖歌隊を率いるクラシックシンガー。彼も常にサポートで歌っている。聞けば既に国で数々のコンペでグランプリを獲っていて、それはジャズヴォーカルというジャンルに限られたものでなく。
大学での授業風景も聞くと、相当な数のジャズ曲を演奏し、歌詞は勿論のことコード進行もすべて12キーでインプロ出来ないといけない。
ジャズのパフォーマンス自体(ブッキングやセルフマネージメント含め)には今はあまり興味がなく、アカデミックに学ぶ事と他ジャンルの音楽やソロに興味あり、だと。あれだけ凄いステージやってのけてこれだもの。
ポテンシャルの高さに驚ろく。

ダニエルはファイナルまで進んだものの、規定の時間を大幅に超えるパフォーマンスだった為、審査対象外になってしまったが、パフォーマンスそのものは素晴らしく、まだ24歳なのに円熟味のある歌唱と堂々たるステージング。
コンテストだけど、自分のステージをリトアニアの観客とミュージシャンと作って行ければそれで良いと思っている、と。
私と同じ考えだったので、早速意気投合。
聞けば、現在は国の大学でジャズを学び、現在はドイツでジャズを歌っている、と。
何と彼は私のNYの師匠シーラ・ジョーダンにジャズを勧められてプロで歌いだしたらしく、またインストゥルメンタル的な現代男性ジャズヴォーカルの第一人者マーク・マーフィーを敬愛しているらしく、私がNYで彼のレッスンを何度か受けた事ある、と言うと非常に興奮していて、質問の嵐に遭った(笑)。
だけれど、音楽的に影響を受けて研究しているのはラヴェルやデビュッシーだと。そう、クラシック。
ダニエルも相当なジャズ曲を知っていて、この男性シンガー2人がいると、普通に英語で会話していても、関連性の高い歌詞のある何かのジャズ曲を直ぐに歌っていく。
それでもって、彼らのインプロビゼーション(即興)力は凄く、普通にチャーリーパーカーが横で吹いているようなフレーズをさらっと口ずさんでいたり、一人がメロディーを歌っていたら、一人がベースラインやパーカッションを歌ったり。

・・何か私は凄いところへ舞い込んでしまったらしい。。。
と、滞在中、毎日そう思うようになるとは、想像すら付かなかった次第で。


さて、朝食を終え、部屋でまだ寝ているシンガーを起こさず私はリハーサルへ。
b0148714_1636584.jpg
ホテルまで係りの人に迎えに来てもらって、会場入り。あとから続々と他のシンガーも。
凄く綺麗なコンサートホール。2階のオペラ席まである。
既にリトアニアのシンガー達からリハーサルが始まっていた。
一人約45分。
リハーサルの順を考慮された控え室も用意され、私はピアノのある部屋に通された。
ラッキー。
前夜着いたばかりで、まだ地に足が着いていない感じ。
早朝に発声を。だけどいまいち、今どの音域を出しているか、つかめない。。。
練習していると、素晴らしいリトアニアのシンガー達の歌と、ミュージシャン達の音色。
リハーサルだけどあまりの勢いに発声どころでなくなった。
とにかく、すごい迫力だ。それから、すごいスキャットと、アレンジ構成。
圧倒されてしまった。

さて、時間通り私の番。
うわっ、ホンマに美しいホール、というのが初めの感想。
ここで現地の最高のミュージシャンと歌えるだけで、もう最高ー。
ドラムの人とサックスの人が特に素晴らしく、急遽、彼達をヒューチャーしたアレンジに変更。
サックス以外の人はあまり英語が出来ず、彼に英語でしっかり明確にアレンジやソロのタイミングを伝えて、事なきを得る。
言葉が通じなくても、譜面や身体での指示が出来れば、国境は越えられる、と再確認。
立ち位置やモニター、楽器のバランスの確認をして私のリハ終了。

その後、主催者と出場者全員が集まり、ミーティング。
b0148714_16374449.jpg
b0148714_1638392.jpg
私、どこかで間抜けな顔してます(笑)。
セミファイナリスと全員の紹介。Kaoru Azuma と呼ばれ前に出る時、何人ものシンガー達が「Japanからよね・・・。」と心配そうに、声を揃えていたのが耳に入ってきた。
一人一人にIDと現地情報、また滞在中の一日3食分の食事券も入ったファイルが渡される。ありがたい。
昨日まだ見なていなかった参加者も続々とホールに。
みんな身長高いし、若くて綺麗ー。

さて、指定されたレストランへランチだ!

次へ続く。

---------------------------
★東かおるライブスケジュール
[PR]
by kaorumusic | 2011-04-15 16:38 | リトアニア・レポート

リトアニア・レポート 1

それでは、徐々に回顧録としてレポートを書いていくとします。

まずは、経緯はこちらにも書いてある通り、単純にヨーロッパへ行きたかった、という理由で。
たまたまPC内に持っていた情報だったということ。
行くなら音楽も見て来たいし、自分が歌えるなら尚良し!
ということで応募日ギリギリに応募。
限られた時間内に念入りに英語プロフィールや応募規定の音源チェック、この時点で発表された、出場が決定した時に本番で歌う課題曲やその順番も選考されるので要思案→Go!
でセミファイナリストに選ばれましていよいよ渡欧。
そう、欧米のコンペティションには日本と違って課題曲というものがあります。
応募者全てに公平にそれが発表され、同じ時間を掛けて練習し本番に臨むというもの。
セミファイナルとファイナル両方には繰り返し歌えないので、この時点で本人の選曲が大きく左右するもの。
曲はヴォーカル物もあるが、よりインストゥルメンタルな曲を重視。
インプロビゼーション(スキャット)は必須。
バンドは現地のサックス入りカルテット。彼等用に事前にアレンジ譜も送れねばならない。
、、を諸々準備し、いざ出発。

関西国際空港→フィンランド・ヘルシンキ空港→ラトビア・リガ空港→リストニア・パランガ空港という長旅。
ラトビアに入った途端アジア人率低し。
何か、ちらちら見られていたんだけど、それは後で同じく出場者だったことが発覚。
b0148714_13464449.jpg
機内からの一枚。これはバルト海に面したラドビア上空。まだまだ雪が。

リトアニアのパランガ空港へは、デンマークのコペンハーゲンとラトビアのリガ空港からしかの発着便がなく、3月30日に到着予定の出場者達は二手に分かれての到着となった。
コンペティション関係者がバンでお迎えして下さると聞いていた。
ゲートを出ると美しい女性のグループがあり、これだ、と確信。
中の1人がコンテストのプラカードと私の名前を掲げたカードを持参されて向かう。
私のスーツケースの大きさに全員驚く。(普通だと思うんだけどな、日本では。。。)
簡単に挨拶を交わし、6カ国から来たシンガーでバンに。
その内の数名から「日本から来るシンガーが居るとウェブで知り、毎日彼女は来れるんだろうか、と心配していたのよ。」と言われた。
早速、被害状況などを説明。
そうする内にコンテストのあるクライペダ市へ入り、用意してもらっていたホテルへ到着。
コペンハーゲンからリトアニア入りしたシンガーのグループも到着していて、若くて美しい女性シンガーのグループがさらに拡大。私は、ただただ見とれてしまっていて(笑)。

ホテルは主に2人でシェアするようではあったが、私が大変な状態の日本から、一番遠い国からで時差もあることを懸念して1人でツインルームに宿泊出来るようにして貰っていたようなんだが、それを知ったあるシンガーが「私、日本の彼女と一緒にシェアするわ!」と勝手に名乗り出る。
みんなの前で「それは嫌だ!」とは言えないし、結局あれよあれよと流れに身を任せてしまった。。
・・・NOと言えない日本人な自分にトホホ・・・。
日本だったら大体「貴方、本当にいいの?」と関係者が聞くだろうが、外国では私が何も言わない=二人で交渉は済み、納得したもんだものだと思われる。
ここは外国だ、NYに住んでいた時慣れていた洗礼だが、すっかり日本の生活で忘れてしまっていた(笑)。

さて、部屋に入り彼女と少し話を。
何か話が進まないなぁ、と思ったら彼女の英語力が少し乏しく、到着後からいきなり苦労することに。
疲れきりお腹もすいたけど、見渡しても街のネオンが無い。日本とは大きく違う。
到着したシンガー達とホテルのバーで食事。

リトアニアはEU加盟国でも通貨はリタスという独自の通貨を使用している。
会計の時、意外な事にヨーロッパ在住のシンガー数人がユーロで払おうとしていて、困っていた。
私は日本でリタスに換金できなかったので、ユーロを持ち、乗り継ぎのラトビアでリタスに換えていたのでセーフ。
b0148714_1471129.jpg
リタス
チキン入りのサラダを頼んだが、量が少な過ぎて、ドイツのシンガーとブツブツ文句を言ってはすぐに平らげてしまった。だけど物価は安く、かなりチープ。
アメリカからのシンガーが「6時間以上も掛かって疲れたわよ~。」と言っていて、私がふと「日本からは、ほぼ1日に近かった、、、。」と言うと凄く申し訳なさそうに「Sorry.貴方に比べたら何てこと無いわよね」と気を使わせてしまった(笑)。

さて、食事の話の後に何ですが、トイレ。
東欧や北欧の方はこういうボタンを押して水を流す。
リトアニアでは大小の違う面積のボタンがあり、使い分けるみたいだ。
b0148714_14122717.jpg


それぞれの国のシンガーとの初めての夜は楽しく、早速色々と情報交換。
ヨーロッパの人は最低でも3ヶ国語は使い分けれるので英語は皆普通に話すことが出来る。
だけど・・・たまに私には分からない単語や発音が。
そうか、みんなイギリス英語の単語を使い、それにブリティッシュアクセントなんだ!と途中で気付いた訳です。
"waTer" "I cAn't" みたいに。
アメリカからのシンガーは生まれはロンドンだそうで、彼女も完璧ブリティッシュアクセント。
何か、私だけ"waDer"みたいなアメリカンアクセントで、何となく恥ずかしく、いつの間にか彼女達のブリティッシュアクセントに近付けてしまう、ザ・協調性大な日本人になってしまっている自分に驚く。

私が疲れと安堵で意識を失いかけたので(笑)部屋に戻る事に。

部屋に戻ると一緒になったシンガーが、「私、明日のリハーサル時間遅いし、ゆっくり寝るので起こさないでね。」と。
私「私も相当疲れてるけど、明日のリハーサルは早朝だから早くからバタバタするよ。」
と念を押しておく。

時差ぼけで私の朝は早すぎた・・・。
隣に居る彼女に迷惑掛けない様にお風呂と身支度。が、かなり疲れた・・・。

さて、ホテルのブッフェへ朝食だ。

次へ続く。


---------------------------
★東かおるライブスケジュール
[PR]
by kaorumusic | 2011-04-12 14:22 | リトアニア・レポート

ただいまです

無事、帰国しました。
色々な意味でカルチャーショックを相当受けまして、未だ頭の中が喜びと驚きで収集が付いておりません。
帰路は乗り継ぎ時間を含め、1日以上掛かかったもので、帰国してからも即バタバタで、身体も未だかつて無いくらいぐったりしてます。
書きたいことが沢山ありますので、後日数日に分けてブログにレポートを書いていきますね。

コンペは結果として、セミファイナル止まりでした。
応援して頂き有難うございました!
赤と白のワンピースをファイナルで着てもっと歌いたかった、というのが本音ですが、コンペはコンペ。
だけど本来の目的であった、
『新しい地で初めて会う人達と音楽でコミュニケートでき、自分のステージが出来れば本望』
それが100%出来たので満足です。
とにかく、モチベーション&レベルの高いシンガー達や現地のミュージシャンと出会えたこと、一生の思い出と宝物です。
この辺はアツく今後語りたいと思いますので、そう期待!
コンテスト出場者の写真等、こちらに出てます。

さて、現地の方や諸外国から参加のシンガーから沢山日本へのエールと祈りを託されて来ました。
歌い終えてから、また滞在中、どれだけの数の方達から声を掛けられたことだか分かりません。
日本のみなさんに、まず、それをお伝えしたいと思います。


---------------------------
★東かおるライブスケジュール
[PR]
by kaorumusic | 2011-04-11 00:58 | Life